
ブランド:あざらしそふと(公式サイト)
発売日:2023-04-28
評価ランク:S
「あなたのために」を「自分のために」にする
愛するという行為はただそれだけを意味する
※後半ネタバレあり
はじめに
- 「アマカノ2」のその後を描いたFDです。本編のプレイは必須です。
- 必須ではないですが、旧作をすべてプレイ済みだと嬉しいファンサービスがあります。
攻略順
<実攻略順>
咲來 → 玲 → ちとせ → 結灯
<推奨攻略順>
結灯か咲來のどちらかを最後にすると締めがキレイになると思います。
感想(概要)
○対等であろうとしてくれる恋人
こと恋愛関係において「対等」こそが理想であるというのが私の哲学です。そこに向かって努力するヒロインの姿をたくさん見れた。それだけで本作には価値があります。
○黒姫結灯
「対等」というテーマにおいて限りなく理想に近いヒロインです。彼女の一挙一動が心に甘い疼きを与えてくる。そんな心から愛しいと思う『魂のヒロイン』です。
○エッチシーン
役割性能が本編から段違いにあがっています。仰け反りに軽オホ(ちと姉は本オホ)が加わったことにより下品さ上がって大変グッド! ヒロインビューによるチン媚思考の開示が多かったのもいいですね!
○システムブラッシュアップ
長いので詳細は折りたたみますが、掛け値なしで称賛に値するレベルの改善です。少なくとも本編で感じた不満点はすべて潰れていました。
○E-mote
本編のは無くてもいいレベルでしたが、今作はヒロインの動きが自然で愛らしさも増していてベリーグッドです! またバックログジャンプ直後に、動きが変になるのも治っていたのはちょっと驚きでした。E-mote 2.0を名乗るのに恥じないクオリティですよ。
○アマカノグラフ
今までの「+」には無かったですが、やはりアマカノを象徴するこのシステムはいいですね。本編とは桁違いの “甘え度” が見れて楽しかったです。本編ではシステムボイスOFFにするとグラフの音声も聞こえなかったのですが、OFFにしても聞こえるよう改善されているのも嬉しかったです。(システムボイスガチアンチ)
○エッチシーンのUI
シーン中にテキスト領域が下に行くのでエッチなスチルが見やすいです。細かいですがこういう改善は嬉しいですね。カウトダウンの可視性が上がっているのもグッドです。よくを言えばもう少しテキストに近い方が、気づきやすくて嬉しいですけどね。
まとめ
今までの「+」と違いただ甘いだけでなく、軸となる話があったのはとても良かったですね。新ヒロインの咲來がいいキャラをしていたのも大きかったです。
ですが私にとって「アマカノ2」というのは「黒姫結灯」なのです。そして本作は彼女の魅力を最大まで引き出している。そこにあるのはもはや感謝の念です。素晴らしい作品をどうもありがとう。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
咲來

「『傍観者』から『甘えたがり』へ」
追加ヒロインとしてあまりにもベストマッチでした。ツッコミ役をになえる彼女の存在によって、掛け合いの面白さが何倍にも増幅されておもしろかったです。
学生青春編

愛らしさも極の上で大変良きです。明るいけど自信がない後輩なんて愛しがいの塊ですからね! また自信がないなりに主人公への気持ちが大きくなってくのも可愛いんですよ!
個人的に告白は修学旅行でするよりも、学園でする方が好みでしたね。失敗してもまたチャレンジするってのが咲來の成長的にもいいですし、「アマカノ2」の告白といえばやはり夕焼けですからね!
それに付き合った後もこれ凄くいいんですよ。「見栄をはって “無理” をしていた」のが、「好きになってもらうための”無理” じゃない頑張り」に変わるってのがもうね……。彼氏冥利につきるとはこのことです。
雪国恋愛編

当時のわたしの心をここに記します。
- なんで全員描き直してんの!?噓でしょ!?
- なんで旧作主人公にCVがあるんだよ!(嬉しい)
- 結婚したのか?俺のしらない女と……
- アマカノヒロインを超える絶世の美女が在野にいる夜間瀬町怖すぎだろ
新婚未来編
オールキャスト出演の結婚式。かつて傍観者だった彼女が「主役」を務める晴れの舞台として、これ以上ない至上の演出。あぁこのシリーズをやってきて本当に良かった……。
氷見山 玲

学生浪漫編
本編の玲は隙が無い感じがありましたので、そんな彼女がダイエットという実に乙女ちっくな理由で右往左往するのは新鮮で面白かったです。
それにプロポーズされたときの「分からない」って答え結構好きなんですよ。そりゃ学生の身でいきなり言われたらそうなるのも仕方ないです。
本作ではこうした玲の年下らしい一面が見れたのが良かったです。
新婚妻恋編
やっぱり浴衣姿の玲 “いい” ですね……。髪をまとめて普段より大人っぽくなっているせいか「若奥様」って感じが凄いします。
実は料理している姿が好きだったのですが、結婚してから一度も出て来なくて残念でした。新妻だからこそエプロン姿が見たいの言うのを分かってほしい。
蔦町 ちとせ

学生愛慕編
正直エッチしていたことしか記憶にないです。「二人だけの修学旅行」というエモいイベントでセックスループし始めたのは少し引きました。(でも歩サラさんのオホ声は最高だった)
結婚慈愛編
この二人は「対等」であることを疑わないほど積み重ねが十分。本編からの流れでそう理解はできるんですが、他のヒロインより話に波がないので物足りなさはどうしてもありました。
ただそれでも、生まれた我が子を見つめる二人の姿は無条件に尊いものでした。
黒姫 結灯
学生純愛編

「与え与えられる対等な関係になりたい。」
「相手のために自分を好きになる」の次がこれですか。まったく彼女ときたら……どれだけ私を喜ばせるのだか。これは私の理想のヒロインの在り方そのものですよ。
嫉妬しようと、ツンケンした態度に後悔しようと、エロ本を見つけようとも、彼女の甘え度は決して下がらない。むしろ際限なく上がり続ける。
だって彼女は「あなたのすべてを知りたい」のだから。そして同じぐらい「自分のすべてを知ってほしい」のだから。どんなことでも知れるのなら嬉しいのです。
なぜなら『対等』とは『理解しようとすること』そのもの!
他者を理解することに終わりなどありません。昨日より今日、今日より明日。ずっとずっと好きになり続けてくれる。愛して愛して愛しぬいてくれる彼女!それが結灯という女性なのです!
新婚相愛編

台所から「おかえりなさい!」と言ってくれた彼女をみたときすべてを悟りました。ただ彼女を『好き』だということを。好きに理屈がないというのはこういうことなのですね……。
そして最後のスチル。そこに籠っている想いが何より美しかった。結灯の姿はかつて迷子を助けたとき、『宝物』を見つけたときと同じ姿。だが決定的に違うところがある。
そう、彼女が慈しんでるのは他ならぬ我が子。かつては片手に自分という『宝物』しか持っていなかったが、今は両手に我が子という『宝物』を手にしている。
あぁ、これこそが『粋』ーーその証明は私の頬を伝う涙で十分。
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