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美少女万華鏡 -理と迷宮の少女- 感想

ブランド:ωstar(公式サイト)
発売日:2020-05-29
ランク:S

愛するということは果たして何なのか?
これは万華鏡が写す『愛』の解答の一つ。
※後半ネタバレあり

はじめに

  • 最初の名前入力はふざけた名前にしないことを推奨します。(私は実名にしました)

攻略順

<実攻略順>
 蓮華(Good → Bad) → 香恋 → もよか

<推奨攻略順>
 お好み順番でどうぞ。

まとめ

○蓮華
本作ではなんと蓮華と一緒に行動ができます! おかげで今までないほどプリティな蓮華成分を摂取でき、その可愛さは「萌え死ぬ」という古代言語が思わず口から漏れでるほどのものでした。

○最終章に相応しい締め方
万華鏡シリーズの主役たる夏彦と蓮華の締めも奇麗です良かったです。そして過去作との絡め方もいい塩梅であり、シリーズの根幹にある『愛』には頷けるものがありました。

○怪奇ミステリー
恐怖を煽るホラー演出はクオリティが高く、推理ロジックは通し方が美しい。上質な怪奇ミステリーに出会えて満足です。しかし吉祥寺ドロレス先生の引き出しの多さには舌を巻きますね…(マジで何者なんだ?)

△エッチシーンの偏り
クオリティは相変わらずスペシャルです。ただ後半に集中しすぎているのでもう少し分散させてほしかったですね。まぁシナリオ構成上こうなってしまうのも分かりますが…

まとめ

最終章を飾るに相応しい傑作です。「怪奇」『愛』「エロ」の三要素のどれもが高いクオリティを誇り、「-呪われし伝説の少女-」から続く物語を奇麗に締めている。見事な出来でした。

そして断言します。本シリーズは比類なきまでに『愛』を描いた作品群です。美しさも汚さも描きこれほど『愛』に真摯に向き合っている作品はそうはないでしょう。

もし「抜きゲー」ということを忌避しているなら方がいるなら第一作を是非手に取ってほしいです。極上の『愛』を味わえることを私が保証しましょう。

※以下はネタバレ有感想です。






感想(ネタバレ有)

白状すると最初から最後まで蓮華のことしか見ていませんでした。なので蓮華ルートベースで本作を語らせてもらいます。ではでは私の『愛』をご賞味ください。

蓮華と過ごす日常

夏彦と楽しそうに過ごす蓮華がクッッッッッッッッッソ可愛いかったです!

返り討ちにあうと照れ隠しに「プィッ」しちゃうところとか、料理をおいしそうに食べる幸せな表情とか、セーラー服もいつもの着物と違う趣があって可愛いとか、顔を赤らめて気持ちをこぼしちゃうぐらい好きなのに夏彦を想って一線を引いちゃうとことか、そんなことするのに距離ができちゃうと寂しそうにするところとか、それでも本気で夏彦を心配しているときにはこの上のない慈愛溢れる表情を見せてくれるところか挙げ出したらキリがありません。

それでも一番良いなって思ったのは蓮華、夏彦、皇、月丘の4人で和気あいあいとして過ごしている瞬間なんですよね…。旅館や学校で仲良く過ごしそれを“かけがえのないもの”と4人とも思っている。

普段気づきにくい「友愛」「家族愛」がしっかりと描かれているこの日常がとても好きです。これもまた大事な『愛』なのだとそう感じます。

怪奇ミステリー

読み進める手が止まらないぐらい面白かったです。正直後半まで抜きゲーであることを忘れてました。

先ずもって演出が良いですね。特に「赫灼に染まる曼珠沙華の園」は強烈ですね一度見たら忘れらないインパクトがあります。肝試しは「無限階段の通りゃんせ」「襲い来る白狐」と合わせて本気で怖かったのを今でも覚えてます。(ガチホラーを感じたのはこのシリーズでは初めてでした…)

ミステリーとしても中々のものですよ。怪異を感じ取れない皇先生が “ロジック” で「青蜘蛛の呪い」を看破したってのがいいんですよね。「学園はスマホ禁止」この情報を拾えなかったせいで大分盲目になっていました。そりゃオカルトサイトなんかよりSNSに投稿しますよね普通…

もよかがネットスラング使っているのは「急にパロネタ使いだして変だな?」と不思議に思ってたんですが、これネットに浸かっていた示唆だったんですよね。気づいたときにはびっくりしました。

理と迷宮(輪廻転生)

白狐供養後に魂だけの世界で語られた真実。何度輪廻転生しても結ばれることが叶わない…運命という名の理と迷宮に囚われた二人。それこそが夏彦と蓮華でした。

各作品の世界を回り何度も愛し合う二人は確かに幸せだったでしょう。ですがその幸せは泡沫の夢に過ぎない淡く儚いもの…思わせぶりな言葉がなくても蓮華が別離に耐えているのは一目瞭然です。

だからこそこんな程度の選択肢は私にとって揺さぶりにすらなりません。即決で「戻らない」を選択しましたよ2度目までは。そうです2度目は即決できたんです…ですが……3度目だけはどうしても即決できなかった! 無理だったんです……

「貴方が……が好き……!」
「だから、貴方には、絶対に死んでほしくない……!」

波羅蜜多 魂が崩れる直前 蓮華

涙をこらえ笑顔でこの言葉を伝えてくれる蓮華を前にして「本当に『戻らない』ことが正解か?」と自問自答が止まらない。最後の最後ではじめて迷ってしまった……

ですがね思い出したんですよ。なんのために夏彦がこの世界を回っていたのかを。そこで得た愛するということはなんなのかも答えを。

  1. 自分の命すら投げ出せる無償の愛
  2. 決して諦めない尊い愛
  3. 自分を偽らない真実の愛
  4. 禁じられても貫き通す純粋な愛

そう答えなど最初から決まっていたんです。必要だったのは投げ出さず諦めず偽らず貫き通すことただそれだけ。

「戻らない」

三度この選択を選べたこと私は誇りに思います。

転生後

最初の名前入力はそういうことですかやってくれますね。まさか夏彦の転生後の名前にされるとは…ですがこういう粋な計らい嫌いじゃないですよ。

感想は「お幸せに」本当にもうそれだけです。

二人の魂が理と迷宮を抜け出し結ばれたことを心から祝福します。今後をともに生きる二人に幸多からんことを心の底から祈っています。改めて「お幸せに」二人とも。

エッチシーン

シーン13

無尽のスクランブル交差点でのシックスナイン。

これはちょっとした芸術じゃないか?と思ってますね。「無人のスクランブル交差点」というありえないものに「街中でのシックスナイン」というこれまたありえないもの掛け合わせることで、空虚と背徳が混じり合った独特な雰囲気のあるスチルになってますね。

シーン23

観覧車での転生前最後のセックス。

最後の乗り物エッチは運転を諦め、あえて王道の観覧車にするとは中々粋なことをするなとちょっと感動しました。しかし私はなめていた…吉祥寺ドロレス先生の執念を…

シーン25

転生後スワンボードでセックス。

ありがとうございました。私の完敗です。

イメージフラワー

彼岸花(曼珠沙華)であることは疑いようがありません。花言葉もありがたいことに月丘女子が説明してくれました。個人的に特に重要だと思うのは『転生』『再会』『思うはあなた一人』です。

理由はもう一つの花が白詰草だからです。花言葉は『幸運』『約束』『私を思って』

転生で幸運に恵まれ、再開の約束を果たし、思いを秘めることから思ってもらうことを口にするようになった。彼岸花は転生前、白詰草は転生後の蓮華を意味しているのかなと思っています。

いやはや、ロマンチックですね。

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