プレイ中:初恋マスターアップ
ランクC

絆きらめく恋いろは 感想

©CRYSTALiA/AMUSE CRAFT

制作 :CRYSTALiA(公式サイト)
発売日:2017-11-24
ランク:C

未来の剣道「刃道」にかける青春に伝奇が混じった物語。
※後半ネタバレあり。

攻略順

<実攻略順>
しおん → フリージア → 椿 → 桜夜(固定)
※桜夜ルートは総括ルートのせいかルートロックがありますが解除可能です。

<推奨攻略順>
・刃道重視 (オススメ)
桜夜 → しおん → フリージア → 椿

・伝奇重視
フリージア → 椿 → しおん → 桜夜

システム

△使いにくいUI
メーカー処女作なのである程度は仕方ないとは思いますが、使っていてストレスを感じるデザインでした。個人的に気になったのは以下です。

  • ログからのジャンプがない
  • メニューバーが無駄に大きい
  • ボイスボタンを誤クリックしやすい
  • 濃度を変更しても文字が読みづらい

×強制終了バグ
特定場面で必ず落ちて進行不能に陥いりました。幸いセーブデータから再会せず、CONTINUEからスタート(かなり場面が戻りましたが…)したら進められましたし、他の場面では発生はしませんでした。

メーカーに問い合わせたところバグ自体は認識していたようでしたので、すぐに修正パッチはもらえたのですが、既知のバグがあるのに特にアナウンスがないのは不誠実と言わざるを得ません。

感想(概要)

〇スポーツにかけるヒロイン
「刃道」があくまで未来技術で発達した剣道の枠を外れてないのは良かったです。そのおかげで能力バトルにならず努力と創意工夫をし、切磋琢磨するヒロイン達の姿が光りました。

×伝奇要素
単純に伝奇要素が面白くないです。それに出てくるときが急なので読んでるこちらが置き去りにされて、正直いいところがなかったので丸々削って、スポーツものだけにした方がよかったと思いました。

まとめ

近未来世界観の設定も良く練られていたので「刃道」の試合は見ていて楽しいものが多かったです。特に「刃道」とヒロインの内面に焦点を当てた椿ルートの完成度は高かったです。フリージアルートも尺不足を除けばよかったです。

一方伝奇要素を担当したヒロインのルートの完成度はイマイチでした。しおんルートは半分「刃道」なのでまだマシですが、桜夜ルートは伝奇の比重が強いので割を食ってます。

シナリオは総合的には悪くありませんが、「刃道」と「伝奇」に面白さの差がありすぎのは不公平だなと思いました。また個人的に回避可能とはいえ進行不能バグがあるのは大きなマイナスです。バグを考慮しない場合はランクBになります。

※以下はネタバレ有感想です。








感想(ネタバレ有)

■藍原 しおん

個人的には霊刀使う前の刀を使い潰す戦闘スタイルの方が好きでしたね。刀が砕け散るのと引き換えに超火力攻撃が可能というのは男の子を刺激されます。

フリージアとの友情もいいですね。思い切りのいいシアは引っ込みがちなしおんにとって相性が良く、逆にシアが弱気な時は他人のためなら意志が強いしおんが引っ張りあげる。組み合わせなら1年生コンビが一番好きかもしれません。

<シナリオ>

対戦相手としおんの成長がシンクロしてるのは良かったと思います。最初の上級生戦で成功体験を得て、過去の壁である萌生菜を勝利への飢えをもって降し、最後に椿に破れ本気で戦い負けることの悔しさを知る。

この流れがスポーツものとして綺麗なのでトーナメントまでのこのルートは気に入っています。ですがその後、刀輝がマガツミに乗っ取られてからの流れはあまり好きじゃないですね。

記憶が飛ぶという予兆はありましたが、その後の展開が急すぎますし、設定開示してるだけで特に面白みもなく気がついたら終わってました。しおんの巫女設定はもっと生かし用があったと思うだけに残念です。

■フリージア・ゴットスピード

正直主人公よりもチートよりなキャラだと思っています。技術面はほぼなんでありですし、なにより精神面も安定しているのが凄い。あの朱雀院都子が主と慕うだけのことはあります。

彼女の何がいいかって物づくりにおける姿勢ですね。量産品が正解と知りつつも一人一人にあったワンオフで傑作を作りたい。そのために必要な行動もできている。これは本当に”出来る人間”の動きですよ。

<シナリオ>

これまでボッチで作っていたせいで、他の人と意見交換するのが楽しくてシアに即落ちしてる刀輝にはちょっと笑いました。でも気持ちは分かりますよ、ディベートしながら作るの楽しいですもん。

ルートとしては2番目に好きですね。シア、しおん、刀輝のチームで戦っている感がいいですし、葵戦、萌生菜戦はどちらも本作屈指の名勝負です。

葵戦はシアとしおんがお互いを信じることが勝負の決め手になるところが良く、萌生菜戦は師匠である刀輝が敵に回ることで武芸者と介添人の両方が師弟対決になるのが熱いです。テンションあがって試合中に告白しちゃうのもシアらしくいいですよね。

そして共同作業で刀を作りいざ決勝…というところで終わったときは本当に意味が分からなかったです。絶対に必要な一戦だったなんで描かなかった…

■朱雀院 椿

ヒロイン力が高い幼馴染属性すら持つお姉ちゃん。なぜこんなアルティメットお姉ちゃんがいて、綾瀬に女をねだったのか刀輝くんの気持ちが分からないよ…

本作のいいところの一つがどのルートでも朱雀院椿を「刃道」において“最強”として扱ったところです。桜夜ルートのイレギュラーを除けば負けてないので、どのルートでも格を保てていました。

ちなみに椿お姉ちゃんの「遅い、そこはもう私の領域よ」は本作のベストワードです。領域拡張と合わせてマジでカッコいい。人生で一回は言ってみたい。

<シナリオ>

“椿の苦悩”という一つの軸に絞ったおかげで非常に完成度が高いです。椿視点の独白が多めなのも良かった点ですね。

最強で在り続けなければならない重圧。スコアに表れる自分の天井。だからこそ試合中余裕がなくなると、戦闘スタイルや口調に素がで始めるのが分かりやすくていいですね。

葵戦で刀を破壊されたときの椿の表情・心情は、悪趣味かもしれませんがあまりに素敵でした。何もかも失くして”男”に縋るしかなくなった”元”最強。これほど守護らねばという気持ちになったヒロインは久々です。

実は刀輝から告白した唯一のヒロインです。同時に露骨なまでに雌を出してきたのも彼女だけです。大好きな人の真剣な表情で子宮を疼かせる内心描写はちょっとイケナイお姉ちゃん過ぎますね…

その後”ヒノトリ”にて翼は新生し、葵との再戦で”散椿”を受けてようやく彼女の剣は風を知るこの後の決勝戦は蛇足なので書かなくて正解です。締めくくりとしてこれ以上はない良い試合でした。

その後ちょっと間の抜けた「お友達になって」も自由になれたから言えたと思うと熱いものがこみ上げてきます。椿と葵。2人みたいな関係をこう呼ぶのでしょうね。“強敵(とも)”

■上和泉 桜夜

共通の段階ではヒロイン力はぶっち切りでした。だって一生残る傷をつけちゃったんですよ?これは責任を取るしかないでしょう。だからルートロックは悪手だと思うんですよね…他3人回ってからだとその感情が薄れるので。

桜夜が一番輝いているのは戦いの中で笑いながら戦闘狂(バトルマニア)してるときなんですよね。でも恋を知ると弱体化しちゃうので“親友”ポジが一番輝くヒロインなのかもしれません。

<シナリオ>

椿戦は本作でワーストの試合です。刀輝が心身を削って作った刀に碌に出番を与えず速攻で鞍替えする意味が分からない。少なくとも桜夜が天久を捨てる理由はマジで分からない。

初戦では素養だけで二本目を抜かせたのに武器と技に頼る三流の戦い方をする桜夜の姿は正直見たくなかった。案の定カウンターを喰らって無様に負ける。その後の暴走にはため息しか出ませんでした。

あとは朱雀院都子とかいう狂人が暴れるだけなんですが、地味に彼女の理論も意味不明なんですよね。いや勝負になる相手がいないから自分より強い相手に合いたいというのは分からんでもないです。(殺されたいは分かりません)

でも設定通りなら都子って祖父に勝てないんですよね。なのに何でこんな考えになるのか分からない。まずは自分の爺様に勝つまで挑めよとしかいいようがない。

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