4/26「誰ソ彼のシェイプシフター 感想」を投稿
ランクA

誰ソ彼のシェイプシフター 感想

ブランド:Liar-soft(公式サイト)
発売日:2026-03-27
評価ランク:A

誰かを理解するために一番重要なのは
『理解したい』という気持ちそのもの。
※後半ネタバレ有

はじめに

本記事に掲載されている画像の無断転載を禁じます。

攻略順

<実攻略順>
各Badエンド → 佳奈枝 → 影子 → ちせ → Trueエンド

<推奨攻略順>
各Badエンド → 佳奈枝 → ちせ → 影子 → Trueエンド

感想(ネタバレ無)

概要

○『理解』に重きをおいたシナリオ
好きなテーマであることを差し引いても良くできていたと思います。キャラクターの描写が上手く物語にのめり込みやすかったです。

○冗長さのない圧縮された長さ
フルプラにしては短いですが個人的にはこの長さは “アリ” です。むしろ無駄な展開がなく圧縮されている分プラスですらありますよ。

○エッチシーンのシチュが珍しい
純愛ゲーでは見ることのできないシチュが多かったので満足度は高めでした。女の子の崩れ方が中々好みだったのも嬉しいところですね。

×システムが使いにく
一行バックログも大概なんですが、解像度が1920×1080にしかならない仕様はちょっと私の環境的に優しくないので、次作ではなんとかしてほしいです。

まとめ

かなり満足度が高い作品でした。テーマが好みド真ん中なのもありますが複雑な心情描写が上手かったです。月並みな表現ですがキャラクタが生きていましたね。

メンヘラとの拗れた恋愛に怪異まで混じっているのに、読後感が驚くほど良いのも凄いところです。前向きになれる晴れやかな締め方でした。

※以下はネタバレ有感想です。






感想(ネタバレ有)

本作は『他人を理解したい』と思う描写がよくできていたなと思います。

特に中心人物の三人(祥人、ちせ、影子)が三者三様で『他人を理解したい欲求』と『他人を理解できない欠落』を持っているのが面白かったですね。

竹之内 洋人

(c) Liar-soft

本人も自覚していましたが、ちせほどではないにしろ人の心の機微に疎いところはあったかなと思います。

ちせの警告を何度も無視して付き合ったのは好きになったから仕方ないとしても、付き合っている状態で佳奈枝と距離が近すぎたのは迂闊でしたね。

そういう積み重ねも痴情のもつれの原因なんだろうな~とは思いますが…それで精神を病むレベルまで追いつめられるのは流石に可哀想すぎますね。

でも私は彼のこと気にっていますよ。苦手だからこそ理解することを努力するその姿勢は手放しに褒めたいものです。実に応援しがいのある主人公でした。

河元 ちせ

(c) Liar-soft

碌でもないメンヘラ女なのは間違いないですが、でもなんか目が離せないのも分かるんですよね。祥人が迫った気持ちもちょっとわかるのが困りものですよ。

思うところが無いとは言いませんが…でも病気だから仕方ないんじゃない?という気はします。自分の病状を『理解』しているだけマシな部類ですよ彼女。

Trueエンドのまともさを見れば分かりますが全然違ったりしますからね。受診を強く進めてくれる人が近くにいなかったのも不運だなと思います。

だから個別エンドよりもTrueエンドのちせの方が好きなんですよね私。

(c) Liar-soft

今まで誰もしてあげなかった彼女に真に必要なことをしてあげれたってのが凄く良いんですよね。洋人の成長を感じるという意味でもグッドでした。

それに最後に桜の下であった彼女は今までにないほど魅力的でした。こんなポジティブな気になる別れはそう記憶にないです。いいものを見せてもらいました。

影子

(c) Liar-soft

断言してもいいですがこの物語は彼女のための物語でした。一人のシェイプシフターが自分のことを『理解』する──そんな物語です。

捕食者とは思えないほど善性を持ってますがそれも絶対的なものじゃないんですよね。それこそ少しのすれ違いで捕食者になってしまう危ういものだったりします。

でもだからこそ良いんですよ。悪性にも振れるからこそ善性であることが増すというものです。いや本当にあのBADエンドはいい仕事しましたよ。

(c) Liar-soft

美くしさで言えば消えてしまう締め方のほうが美しく感じてしまうんですよね。まるで桜が散るような幻想的に終わりもさることながら、最期の言葉がまた切ない……

「生まれてきてよかった」

生き方に悩んでいた彼女が自らを肯定する言葉と共に消える。綺麗に「終わりがあるから美しい」もなぞれている美しい幕引きですよ。

もっともこれは美しいだけですがね。

(c) Liar-soft

『他人を理解する』ということは、結局のところ『自分を理解する』こと。そして何のために理解するかと言えば 自分を “継続” するために他なりません。だからこそこの物語の終わりとして “終了” である死は相応しくないのです。

「もっと多くを知ろうと思う」

本作の幕引きにはこの言葉こそが相応しい。なにせ『自分を理解する』ことに終わりなどありませんからね。人生なんてものは終生自分探しの旅ですよ。

それにしてもこのTrueエンドは本当に爽やか良いですね。前向きに未来を見ていれば、こんなにも晴れやかに別れるものなのかと驚きましたよ。

美しさだけでなく晴れやかさもあるこの締め方を私は支持します。

コメント