プレイ中:初恋マスターアップ
ランクS

ヒラヒラヒヒル 感想

© Aniplex Inc. All rights reserved.

制作 :ANIPLEX(公式サイト)
発売日:2023-11-17
ランク:S

文明開化の大正初期。そこで蔓延る死者が蘇る「風爛症」と戦う人々のお話
※後半ネタバレあり

はじめに

削る章が無さ過ぎてネタバレ感想は章単位で書いています。「千種正光編」が先で、「天間武雄編」が後になります。

攻略順

<実攻略順>
・千種正光:BAD → TRUE
・天間武雄:TRUE → BAD1 → BAD2

<推奨攻略順>
悩んで考える意義のある選択肢ですので、是非ご自身の選択でプレイしてください。しかしベストな流れをお望みなら、他サイト参考にし初回TRUEになるようにすることをお勧めします。

感想(概要)

〇医療にまつわる社会的なメッセージ
おそらくこのお話を読んで、ひとつも自分に引っかからない人はいないでしょう。精神病に関わる方は特に刺さるのではないかと思います。私にはぶっ刺さりました。

〇悪人がいない「人」の物語
「風爛症」という対策もないどうしようもない病を軸に、同情人物の人間性が良く描かれています。この物語は基本的に「人の善意」で構成されているので、読んでいて心が温かくなることが多かったです。それ以上に病の不条理も感じましたが…

〇読み手にも投げかけられる選択肢
決して選択肢は多くありませんが、投げかけられたすべての選択肢に「君はどう思う?」という意図があったと思われます。こういう選択肢で悩んでいる時間ほど至福のときはありません。

まとめ

舞台は大正ですが現代医療に通じる部分もあり、文章自体も非常に読みやすくすんなりと入ってきました。直近にはコロナもありましたので、くり返しになりますが誰にでも何かしら刺さる部分があると思います。

この「風爛症」は間違いなく架空の病気ですが、精神病と深く強くリンクしており、心に来ることや考えさせられることが多かったです。特に“愛は無限ではない”という言葉は非常に印象に残っています。

流石は瀬戸口先生というべきお見事な作品でした。これが3000円というのは破格なので、少しでも気になるところがあれば是非ともプレイすることをお勧めします。ただ見た目通り軽い作品ではないのでお気を付けを。

※以下はネタバレ有感想です。






感想(千種正光)

■一章「風欄症患者は人間である

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運命を「風欄症」に翻弄されながらも常に戦い続けた医師。
彼の視点を通してこの病の恐ろしさを知る。

最初の章だけあって病気の紹介がメインだった気がします。初見の印象ではやはり不気味さが拭えませんでした。なにせ死者が蘇るのですから。

もっとも全て読み終えた今では章どおりの感想を抱いていいます。やはり恐怖とは無知そのものですね。

■二章「田舎の母子」

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正光の話でメインとなってくる私宅看護の調査に赴くことになりますが、ここでバディを組む辻菊女史は実にいいキャラをしていて、最後にはすっかり名コンビになっていました。

さてここでは最初の選択肢で困窮する老婆に施すかどうかの選択がでます。ちなみに私の選択は“渡さない”です。悩みましたが直前の「公平性のない医療ほど残酷な医療はない」という独白が決め手でした。

この選択肢はエンディングに影響を及ぼしませんが、ここでの選択は最後の選択への強烈なの役割を果たしていると思います。子細は六章で語りましょう。

■三章「帝都にて」

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正光にとって重要な人たちの紹介みたいな感じでしたね。

まずは加鳥博士。たまにいるんですよね、思想、能力、政治力の全部が強い博士みたいな超人。個人的には彼に一蹴された「既知の医学」が通用しないと嘆く医師の方々の気持ちも分かっちゃいますがね…対策不可はそれほどまでに恐ろしいです。

そして無二の親友たる野村惣一。いままで爛れた姿の”ひひる”ばかりだったので彼のように日常生活が可能な存在がいるのは驚きました。彼とディベートは面白かったですね。人は本質的に自由(Freedom)であるべきというのは共感できます。

■四章「頭の中でパタパタと」

人の弱さの一端を垣間見られる章です。本章では訪問したある詐欺師に騙され、満足な医療を受けられない裕福な一家登場します。人によっては彼らを愚かだと思うでしょう。

しかしこのようなケースは現代にも存在します。憤りを感じながらも無力感を感じる正光のやるせなせが伝わってきました。どうしても人は弱ったときに、信じたいものしか信じられなくなります。

患者の遺族に余裕が必要というのは、本作が非常に強く訴えているメッセージの一つです。

■五章「野村夜の家で」

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武雄視点で登場していた野村夜先生がまさか正光の知り合いで”朝”という名前だと知り合いとしったとき、2人の物語がクロスするのも近いなと勝手に盛り上がってました。(実際あまりクロスしないのですよね…)

それにしても朝さんいいですよね。淡泊な仮面と可愛らしい声のギャップが最高です。兄を通しての古からの知り合いというのもヒロインポイントが高い。

ですが本章で最も重要なのは正光が語る母親への愛です。酔った彼が漏らした紛れもない本音。彼らほかの誰よりも母親を愛しています。それを軽視したばかりに私は次の選択肢を…

■六章「山の中の檻」

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数奇なことに正光は酷い境遇にある産みの母親と再会する。もし運命などというものが存在するのなら、それはあまりに慈悲深く残酷です。

さて母親を引き取るかこのまま生まれの故郷で最期の時を過ごさせるかの選択肢。本当に悩みました。これこそ私が愛してやまない苦悩する選択肢です!選択は“故郷で最期の時間を過ごさせる”です。

人を許せる人間とはとても強い人間です。そして二章で選んだ医療の公平性。これらを考えると母を連れ帰る選択肢をどうしても選べませんでした。あぁ私は本作のメッセージを何も理解していなかった…

七章「それから五日後に母さんは死んだ」

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この章は母親を連れて帰る選択肢を選んだ場合のみ存在します。(つまり私は最初見れませんでした残念)

種田正光が愛されている証拠がこの章には満ちています。
・母親を済ませることについて役に立てると喜んだ朝さん
・ひひるの妾を快く迎えた両親
・誰よりもまーちゃんを愛していた母親

愛のリソースは無限ではありません。1人の人間が愛せる人間の数は限りがあります。身近な人間にちゃんと愛されている彼は立派な人間です。

そして母親との東京観光。愛されるのと同じく愛することもまた重要です。一番大事な母親を存分に愛せたからこそ、優先順位を付けたからこそTRUEに繋がるんだなと思いました。

■八章「発症」

この章で一番印象に残っている言葉は「患者と付き合うのに一番大事なのは根気」です。これは現代においても通ずることであり、この信念を持つ医療従事者の方を尊敬します。

そして何よりもタイトルの回収。彼ほど風爛症に真摯に向き合った人間が罹ってしまうなんて…酷いことをすると思いましたね。

■九章「患者は君だよ」

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初期の幻覚状態の何もかも信じられれない状態は混乱しました。実はいままでのも全て嘘だったのは?という疑念にかられました。ここで患者の主観を見せるのは上手いです。

落ち着いてからは逆に患者の立場に何るのも新鮮でいいなと思いました。そしてなにより誰もが彼を“先生”呼びする。千種正光という男がいかに慕われているのか分かってほっこりしました。

十章「一番自由で気楽な場所」

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知識と実感は確かに違います。だけど風爛症を知るために患者になれてよかったというのはあまりにも強すぎる。この男は間違いなく”本物”ですね。芯からこの病気と戦っている。

でもこの章で一番好きなのは、退院に不安を感じる患者と松木看護人の会話なんですよね。彼と話して「不安だけど頑張ってみるよ」になるんですよ。同じ立場になったら自分もこうありたいですね。

後患者同士の会話ですが、幻覚を見るどうしが会話するからカオスになりますね。

■十一章「非常に重要な試み」

風爛症に罹患した者を医師にするという無謀を通す加鳥博士はやはり化け物。でも仰るとおり風爛症にかかっても元の生活に戻れた例がなければ、世間の意識は変わらないんですよね。

※先にBAD ENDについての感想になります。

■十二章「ひひるの運命」

竹光にとって特別であった朝を救えなかったルート。彼女が「正さんに迷惑」を書けたくないと言ってしまったのは、ひとえに信頼の不足だと思います。

人は頼り頼られ信頼を築きます。対等になります。正光に頼りすぎた朝はこれ以上彼に頼るのに引け目があったので、大事な人だからこそ対等でいたいから口走ってしまった。あまりに不幸な行き違い。

また惣聡一の慟哭は心に響きました。ひひるになっても人生を楽しんでいた彼が、初めて後悔したその叫びは衝撃でした。この感情を言葉にできない語彙のなさを恨むほどに…

■終章「母と子」:BAD END

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特別を作れなかったが故により多くの患者を救うために人生の全てを風爛症と戦うことに捧げたルート。彼自身も母親の未練を残し幻影を抱えているので恐らく先は長くないでしょう。

それでも今際の際まで彼は患者のために生きるでしょう。もはやそれは人ではないかもしれませんが多くの患者のためになるでしょう。そして彼のように生きた人物はこう呼ばれます。“英雄”

※ここからはTRUE END行の感想になります。

■十二「一番大事な患者」

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七章で頼られたからこそ対等であったからこそ、朝は正光に救われ彼の本心を聞くことができたルート。

本当に不器用な二人です。こんなにも当人同士は好き合っているというのに…。朝が流した涙にはこの作品には珍しく幸せが詰まっています。

やはりちゃんと言葉にすることほど重要なことはありませんね。正光のような分かりにくい人は特に。

■終章「僕はこのために生まれてきたんだ」:TRUE END

私宅看護は実際にあった私宅監置をベースにしていると思います。この制度が廃止されたのも1950年頃で約30年後に廃止されたとなると大体同じかと思われます。

この物語がフィクションであることは承知していますが、現実でもこのようなあるいはこれ以上酷い患者の扱いがあったのは想像に難くありません。そう思えば確実に医療と制度は進歩しています。その進歩に貢献した方々には今を生きるものとして感謝をします。

最後の訪問も両親は死に風爛症に罹患した双子が残されるという酷い状況ですが彼は立派に医者として動いています。

「僕はきみたちのような子供を手助けするために生まれて来たんだ」

医師も人である以上限界はあります。それでもこのような言葉を言い、手の届く範囲を救おうとする人物を私はこう呼びます。“正義の味方”

感想(天間武雄)

■一章「銀座のひひるたち」

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勉学のために上京してきた高等学生の視点。
彼を通して患者を看護する辛さを知る。

暴漢を制圧できる腕力も大したものですが、何よりも臆せず向かっていく姿から彼の人となりが良く分かりますね。

ふむしかしいいですね。実直で寡黙な大男と才媛に恵まれた華奢な令嬢。これは大正浪漫を感じずにはいられませんね。二人が今後どうなっていくのか楽しみでした。

■二章「常見家」

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常見家の食卓を皆で囲うCGが凄い好きなんですよね。家族団らんの温かさが良く表現されています。そこに使用人のお辰さんまでいるのですからこの一家が善良なのは一目瞭然です。

しかし物語はどうも動くことがお望みだったようです。

「これから我々であのひひるを殺すんだ」

友である衣川が覚悟を決めて開いたこの言葉を聞いて、覚悟が要る展開がくることを感じずにはいられませんでした。

■三章「ブランコ松の下で」

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ここでの選択肢は即決で“別の方法を考えるを”選びましたが、これもまた重い選択肢です。個人の意思を聞いて介錯してあげるのも人情ですからね。

これは尊厳死を肯定するかを問われています。この問いに明確な答えはありませんし、現代でも議論が尽きない命題です。ですが今回の場合は依頼された側が決定者になってしまっているのがダメだと思いました。

ひひるは人間状態ではないから命を止める。この決定を衣川と武雄がしなければいけない。学生が決めるにはあまりに重すぎます。その考えで選択したにすぎません。

■四章「ひひるの居場所」

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この章は天間武雄という人間の良さが存分に出ているので大好きです。特に衣川の「恥をさらしたな」に対し「私は恥じるようなところを見ていない」は本当にカッコよくて好きです。

その後本作唯一のチートキャラ加鳥博士に偶然知り合えて、美代さんを無事に入院させることができたのですが、美代さんの最後の言葉には涙がでそうになりました。

「兵さん、ほんとに、ありがとう」

博士も言っていましたがやはりひひるは人間なのです。

■四章「君がくれたタオル」

殺めた場合の四章。どんな理由が人の形をしたものを殺めた時点でその者が正常でいられるはずがない。こちらのルートに入った武雄は最期まで覇気がなく、見ていて辛い気持ちになります。

■五章「戌一会の夜」

この章では明子さんの境遇から大正時代の女性が現代と随分違う存在だなと感じました。現在では彼女レベルの才媛であれば選択肢は非常に多いですがこの時代ではそうもいきません。

そんな女性でも外の世界を見られる可能性がある。”文明開化”その意味への理解が少し深まった気がしました。

六章「棺は桶に似ている」

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もっと多くのことを学びたい。海外に行く夢を捨てきれない。何よりもその夢を語る彼女の姿は輝いています。是非とも存分に学ぶといい。彼女なら世界に通じる人物になるでしょう。

しかしこのときの武雄の「一緒について行く」はほぼプロポーズではないのでしょうか?本人はそんなつもりがなさそうなので質が悪い。まぁそこが彼のいいところですが。

…分かってましたよこれが風爛症になる前ぶりだってのは。本当に残酷な物語だこと。

七章「一人にしないで」

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この病気の特徴のひとつである仮死状態と判別がつかないというところが非常に質が悪いなと思っています。しかも蘇生に個人差があるので分からず火葬したケースもあるでしょう。その方がある意味幸福かもしれませんが…

昨日まで明るくて賢い娘が、家族すら理解できず妄言を口にするようになってしまった。絶望以外の何ものでもないです。その娘を想う鎮柳先生の愛が身に染みる。

■八章「監地室」

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精神病患者は看護するものも大きく疲弊する。特に罹患前とのギャップが強ければ強いほどその衝撃は大きい。三者三様の悲観と憔悴を見るのはつらかったです。

そんな状態で表れる武雄の今後を決める選択肢。悩みましたどちらが最善か全く分からないのですから。選択は“常見家に残る”です。理由はただ単に武雄に明子を諦めて欲しくなかった。ただそれだけなんですよ。

■九章「もうハルじゃない」

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武雄はやはり残って正解だったなとこの章を読んで思いました。他人のために120%の力を使う彼は生き生きしています。しかし看護というのは想像以上に大変ですね…看護人不足の深刻さが良く分かります。

自分で明子を始末しようとした鎮柳先生の行動は褒められた行動ではありません。ですが変わっていく娘を見て憔悴し親の責務を果たそうとした先生の気持ちは理解できます。

武雄が止められたのはそれが間違いだという意思を持っているからです。だからこそ殺めた場合の彼にの権利はなく、むしろ自分の手で殺めるという愚かな選択をしてしまいます。

これはある漫画の受け売りですが「殺す人間の世界は必ず閉じる」らしいですよ。少なくとも本作においては真理であったと思います。

※先にBAD ENDについての感想になります。

■十章「ブランコ松」:BAD END1

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自分の手で明子も殺めたルート。武雄が独白で私が言いたいことの全てを語っています。

「人殺しが、こんなに白昼堂々と往来を歩いていられるものなのか。」

そして私は正光の一章のタイトルを今一度記載します。「風欄症患者は人間である」彼の性格を考えればブランコ松にたどり着いてしまうのは必然ですね。

■九章「退去」

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武雄と明子の関係が途切れてしまうルート。常見家を忘れるために勉強と柔道に打ち込む。私は忘れるために何か没頭するのはよいことだと思います。辛い記憶を持ち続けるのは心が持ちません。

この章はどちらかというとその後の補稿の方が気になりました。あの駕籠町病院に入院にできたのなら安心だなと思った束の間、まさか狂躁室に入るレベルとは…

そして私は常見明子という人物を少々甘く見積もっていました。まさか武雄の未来を案じて狂っている演技が出来るほどとは、これほどの人格者がなぜこんな目に会わなければならないのかという不条理に怒りを覚えます。だが拳の振り下ろす先がない。病とはそういものなのですね…

十章「天間武雄の今」:BAD END2

誰も悪くないのに誰もが不幸になった悲しいエンディング。もはやそれ以上私から言えることはありません。

※ここからはTRUE END行の感想になります。

■十章「じゃあ、よろしく頼むよ」

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明子さんの状態は良くなっていますね。言葉遣いも丁寧で本を読みたいという欲求もある。これは回復の期待が持てます。だからこそ先生の決断は残念でなりません。

彼が自死を選択する合理的な理由はありません。愛娘のためを思うなら生きなければならない。ですが“愛は無限ではない”のです。だから思いつめて自殺を選んだ先生を私はどうしても攻められません。

■十一章「朝日」

悲劇というより他ありません。よりによって父が死んだ後に急性期が終了し知性が回復するなんて。急性期の知識があれば先生も耐えたかもしれませんね。やはり正しい知識は広く広まらなければ。

しかしここで駆け落ちの流れは熱いです。不謹慎ですが今後の展開にはワクワク感がありました。

そしてここで別れる前に明子がお辰さんにお礼をいうのですがこれが本当にいい。今まで看病してきたお辰さんにとって何よりの報いの言葉だったでしょう。

■十二章「北へ」

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ここまでのながれでは看病する側の苦悩が描かれていましたが、病気で一番苦しんでいるのは本人だということを決して忘れないでほしいです。

当たり前のことができなくなり、好きな人間に迷惑をかけてしまう。善人であれば善人であるほど、その自分に価値を感じず自分を終わらせたくなります。

だから患者のすべてを受け入れる天間武雄という男は理想の理解者なのです。まったくイケメンが過ぎますよ彼は。

■十三章「来年の春に」:TRUE END

本作での重要な言葉に「患者を特別扱いしない」があります。特別視しないということは信頼し受け入れることです。そうすることで患者もまたこちらを受け入れて信頼してくれます。

武雄の故郷にはこういった土壌があったようで、それが明子の回復に大きく影響したのは間違いないでしょう。

なんども言いますが患者に対して必要なのは受け入れて信頼を築くことです。そして間違えてはいけないのはそれは愛するものだけに向けること。人は万能ではありません。恐らく本作が言いたかったのはこういうことではないでしょうか。

最後にこれから夫婦になる二人に幸多からんことを願っています。

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