
ブランド:ぱれっと(公式サイト)
評価ランク:A
あらゆる要素の品質が高水準。
異能を題材としたキャラゲーのお手本。
※後半にネタバレあり
攻略順
<実攻略順>
リリース順
<推奨攻略順>
変に弄らずリリース順にやりましょう。
感想(概要)
〇高レベルのキャラゲー
「グラフィック」「声優の演技」「テキスト」のすべてが高品質であり、内面描写も丁寧で素晴らしいですね。月並みな言い方ではありますが “作中でキャラクターが生きている” 感じがします。
〇王道で読みやすいシナリオ
中二病感あふれる能力や世界の秘密等といった皆が好きな(無論私も)要素でいっぱいです。すぐに次の展開に進むためテキストのテンポが良く、意表を突いてくる展開もあるため、飽きずに読み進められるのもグッドでした。
×先の見えない分割商法
今でこそ完結していますが「次回の発売日」と「いつ終わるか」が不明だったので、リアルタイムでは手が出しづらかったです。
まとめ
中二要素が入ったエロゲーに嫌悪感がなければまず間違いがない作品です。後にいくほど盛り上がっていくので、是非とも順番通りにプレイして熱い展開を味わってもらいたいです。
強烈な癖というものはないですが、王道で面白いという最強の個性を持っています。読後感も良いのもグッドですね。最後の演出は必見ですよ。
後エッチシーンの出来がいいので、個人的には成人向け+新章を買うことをオススメします。
※以下はネタバレ有作品個別感想へのリンクです。
①ここのつここのかここのいろ
発売日:2017-04-28
九條 都

料理上手でお嫁さん適性が高く、お嬢様なのに超がつく倹約家。さらに低身長巨乳と頭がおかしくなるレベルの高スペックです。
ですが彼女の最大の魅力は、見知らぬ誰かのために力を振るうことに何の疑いも持たない「ノブレス・オブリージュ」を体現した高潔な精神性です。
力を上手に使えない無力感からか、恵まれた容姿とは裏腹に自己評価が低いです。それ故に力を使えずとも、自己を顧みず炎に飛び込んだ翔に惹かれるのでしょうね。そんな愚直までに正しくあろうとする彼女だからこそ、個人的に一番気に入っています。
シナリオ

都との恋愛という意味ではかなり良かったです。
非日常によって距離感が徐々に縮まるのが王道of王道でたまりません。告白シーンのいじらしさは素晴らしいものがあります。
ただAF関連は真相が闇の中に消えてしまい何も分からずじまいですし、最後の不穏な感じで偽りの幸福感バリバリです。
導入部なので仕方がないところはありますが、それにしても割を食いすぎですね。有料体験版のそしりを受けるのも仕方がないです。
個人的には、都のノブレス・オブリージュの精神が問われるようなイベントが欲しかったので、今後の展開で見れることを期待しています。
②そらいろそらうたそらのおと
発売日:2018-04-27
新海 天

ボケもツッコミもでき誰とでも会話を回せるコミュ強妹。個人的に「にぃに」呼びがお気に入り。新海兄妹の会話は、仲の良い兄妹っぷりが良く出ているので読んでいて楽しいです。
天のウザ可愛い妹っぷりはある種のリアリティを感じるほどですが、彼女が持つ兄への恋慕は通常の兄妹愛を大きく逸脱しており、同時にその感情が兄の迷惑になることも理解しています。
異性として愛して欲しいという欲求がありながらも、兄に迷惑をかけずに一緒にいたい。だからせめて天真爛漫な妹として振舞おうとする。この繊細な二面性こそが彼女を実妹ヒロインとしての非凡な存在へと昇華させています。
シナリオ

消失系のシナリオとして高く評価しています。
忘れまい忘れまいと思っていても、避けようがない日常の些細から「消えている」を突き付けられる。このどうしようもなさ……これこそ消失系の醍醐味ですね!
個人的には初回はBADを推奨したいぐらいです。巻き戻る演出で一際GOODが輝きます。
兄妹愛はその禁忌性を強調してこそと思っていますので、翔が正常な倫理感と妹の想いの間で悩む様子は好印象です。最後の恋人なのか良くわかない状態も、完全に吹っ切れてない感があっていいです。
本筋としても敵対組織が出てきてたことにより、大きく世界観が広がった気がします。今だ多くの謎を残しますが、「天の覚醒」「対魔眼」等盛り上がる展開も多く、単体作品としても面白かったです。
③はるいろはるこいはるのかぜ
発売日:2019-04-26
香坂 春風

オタク趣味で性欲強くておっぱいが大きい美人。もはや願望が具現化したような存在ですが、自分の言動で自爆したり色々と慌ただしい人です。まぁそれが楽しい娘なのですが。
とても弱さが協調されているヒロインだと思います。周りを良く見ていると評されていますがそれは自信のなさの表れです。
そして強さが協調されているヒロインでもあります。自身の無さを乗り越え「身近な誰かのために戦える」 それができるのは疑いようもなく “強者” です。
そんな弱さを受け入れ乗り越えられた彼女だからこそ、AFの到達点まで至れたのだと思います。「9-nine-」で一番好きなシーンは春香の覚醒シーン。胸を張ってそう言えるぐらいに大好きです。
後は細かいところですが、春風の欠点をゴーストに指摘させたのは妙手だと思います。これを主人公に言わせると、ものすごく角が立つので…
シナリオ

これでワクワクしない人間は3作目までたどり着いていないと断言できます。
「敵の懐に潜り込むという視点変更」「与一の正体バレ」「圧倒的な敗北」「先生の姿をした何か」と息つく暇もない超高密度展開でした。
イーリスについてですが白状すると普通に騙されました。後から考えればアンブロシアの危険性の説明がないなぁとか思いつくんですが、プレイ中は雰囲気とか「そらいろ」のラストのせいで、まんまと騙されました。
上手に騙してくれて気分がいい。気付けなかった私は幸運ですよ。
そしてついにオーバーロードが明かされてのイーリス戦。能力バトルには、そこまで期待していませんでしたが、思った以上に良かったです。春風の決心から皆の能力を合わせての勝利。この展開は何度見ても素晴らしいです。
ただ最後の第4の壁に触れる展開は賛否がありそうですね。個人的には、プレイヤーの視点がブレるので否よりだったりします。
④ゆきいろゆきはなゆきのあと
発売日:2020-04-24
結城 希亜

普段はクールを装っていますが、心を許してくれた彼女はすべてが可愛くて仕方ありません。ギャップ萌えは王道ですが、質がいいとここまでの破壊力が上がるのですね……
「ジ・オーダー」の都合上、彼女は人を裁く覚悟を要求されていますが、事故のトラウマを発端として、正義の味方であることを選択した彼女に、悪人であろうと命を奪う選択ができる訳がありません。
彼女はトラウマが乗り越えられないから、正義の味方を自称しているのですから。
それでも最終局面で引き金を引けたのは、翔やソフィの覚悟に報いるためです。そのためにトラウマを乗り越え覚悟を決めた、彼女の心の強さには敬意すら覚えます。
「身近な誰かのために頑張れる」点は春風と似通っていますね。そう考えるとやはり彼女達は似た者同士なんでしょうね。
シナリオ

シナリオジャンプのツリー構造を巻き戻しの演出に利用するのはいいですね。こういったシステムが、シナリオ上の役割を担う展開は大好きです。
何よりもプレイしている感が増して没入度合いが上がりますからね。
最初のフェイクEDは、翔も引っかかりを覚えたぐらいですから、そりゃあれで終わるわけないですよね。その後ヒロインを皆殺しにしたのは驚きました。ぱれっとさんってここまで出来るんですね。
イーリスもオーバーロードを得た段階から心を摘む戦いになるのは分かっていましたが、こうもヒロインを殺され続けると見てるこっちも辛い……
だからこそ覚悟を決めた後の与一戦のカタルシスはハンパではないです。新海翔という本作になくてはならない主人公のカッコよさが光ります。
⑤新章
発売日:2021-04-23
最後の枝

最後にあの枝の翔を理解してもらい「頑張ったね」をいってもらうためのお話だと思います。
それができるのが生まれながらに「ノブレスオブリージュ」を体現し、支配のAFを持つ都だけということなのでしょうね。頑張った人が報われる展開が最後にあったこと嬉しく思います。
ただ1年という月日が熱量を下げてしまったので、熱くなれたかというとそうではないです。「ゆきいろ」から連続でやれば違うでしょうね。(でも都HappyEndの枝ができただけで正直嬉しい)
しかしここいろの「」は結局謎のままでしたね……いったいなんだったんでしょう?
後日談
どのヒロインも可愛くて短い以外は満足ですねヒロイン毎にピックアップすると下のような感じです。
<都>
恥ずかしがりながらお祭りを二人っきりで過ごしたがるの可愛い。
お祭りで他枝のヒロインに嫉妬するの可愛い(むーーっ)。
<天>
そばにいてくれればいいと言われた時の「えへへ」好き。
相変わらず兄妹漫才はキレがあっていい。
<春風>
大胆でセクシーな水着は年上の彼女の特権。
内心を吐露しあえるこの距離感が心地よくて好き。
<希亜>
コスプレワクワク希亜ちゃん可愛い。
チャイナ風のコスプレゲロ可愛いい。
9番目の名前
最後に名前をいれる演出良いですね。感極まって本名入れちゃいましたよ。
プレイヤー巻き込みはあんまり賛成しないんですが、こういう風に意味を持って効果的につかってくれるなら全然OKですよ。
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