12/27 「片腕のザリガニ – one-armed crayfish 感想」を投稿
ランクA

片腕のザリガニ – one-armed crayfish 感想

ブランド:斜塔ソンブレロ(公式サイト)
発売日:2025-02-21
評価ランク:A

自分らしさに悩むあなたに贈るジュブナイル。
※後半ネタバレ有

攻略順

ありません1本道です。

感想(ネタバレ無)

概要

○「逆張り」に学ぶ自分らしさ
自分らしさを「逆張り」というアプローチで描くのは面白かったですね。ただ面白いだけでなく胸を打つ説得力があったのも素晴らしいところです。

○高濃度のプレイ体験
わずか1~2時間でこの満足感は正直凄いです。テーマに対して十分な描写がある上に読み口は軽いのも良いですね。おかげさまでとても充実したひと時でした。

○フルスチルノベルゲーム
立ち絵のないストロングスタイルなだけあり、総スチル数はこのプレイ時間にもかかわらず100を超えます。雰囲気も抜群で想像していたより豪華な作品でした。

まとめ

感想書きとしては読んでいて中々刺さるものがありました。他人に影響されず自分に絶対の自信を持つのって難しいんですよね。どうしても他の人の影響を受けちゃいます。

だからこそ三好岬のような「逆張り」を貫ける人間をカッコイイと思わずにはいられません。そんな彼女にも「逆張り」をしなければならない理由があったってのも面白かったところです。

テンポ良し、雰囲気良し、内容良しで学びにもなる。これが350円は何かの間違いレベルです。1mmでも惹かれるものがあったら買って損はないです。

※以下はネタバレ有感想です。






感想(ネタバレ有)

三好 岬

導入はえらい逆張りガールが出てきたもんだと戦慄したもんですが、一皮むけば自分らしさに悩む年相応の女の子でした。この辺「思春期」と「逆張り」の絡め方がマジで上手いです。

必ず理解を伴うから彼女の逆張り好きなんですよね。アンチ順張りにならず「逆張り」を選ぶ人の気持ちを理解しようとしている。こういうところに根の繊細さがよく出ています。

逆張りを選ばざるを得なかったところはあるので、「勝ち」より「勝ち方」を選べる強い人間の側ではないんですよね。それでも──逆張りを貫くその生き様はカッコよく見えます。

未使用イラストもいい味を出していますね。本編中でも言っていた通りこの物語が終わっても彼女たちはこれから生きているのだっていうのが伝わってきますね。

中でも画像は目を引かれた一枚ですね。この女は本当に黄昏時がよく似合う。

野崎 優太

彼のように「消極的順張り」を選んでいる人間が大多数なんじゃないでしょうか? かくいう私もその口でしてね……。(他人と衝突するの怖い)

それが悪いとは思いません生き方としてはまっとうだと思います。だからこそ不器用な生き方をする岬に惹かれるのも分かります。共感しやすいいい主人公でした。

時には彼のように心の声に耳を貸して「ヤマタノオロチの陣」を開放するのも大切ですね。常ではなくとも時々は自分に対して「能動的順張り」でいたいものです。

赤城 ヤマト

序盤で退場するモブかと思っていたら熱い男で歓喜しました。彼の演説シーンが見れなかったのは本作の数少ない不満です。

キャラクタープロフィールで密かに岬が好きという情報を見たとき横転しました。赤城……岬に突っかかってたのはそういことなのか……?

水樹 さくら

「勝ち」より「勝ち方」を選べる本当に強い側の人間。こういう人種がたま~に「自分の順張り」を「世界の順張り」に変えちゃったりするんですよね。

コメント