プレイ中:ハッピーウィークエンド
ランクA

ToHeart 3Dリメイク 感想

ブランド:AQUAPLUS(公式サイト)
発売日:2025-06-26
ランク:A

初恋の思い出は色あせることなくより鮮明に。
※後半ネタバレ有り

はじめに

  • オリジナル版未プレイです。
  • Steam版でのプレイです。
  • ボイスは全てモダン(新キャスト)を選択しました。
  • 本記事に掲載されている画像の著作権はAQUAPLUSに帰属します。(©AQUAPLUS)

攻略順

<実攻略順>
 あかり → 志保 → 智子 → レミィ → マルチ → 琴音 → 葵 → 芹香 → 綾香 → 理緒 → セリオ → 雅史

<推奨攻略順>
 あかりは最初に攻略することを推奨。後の順番はお好みでどうぞ。

◼︎ポイント1
 ・綾香は葵、芹香を攻略後に解放
 ・理緒はあかり攻略後に解放
 ・セリオ、雅史はDLCで追加

◼︎ポイント2
 最初のルートで以下日付のセーブを作っておくと後々楽できます。
 ・3/11 放課後 :綾香用
 ・4/10 1限休み:後輩組用
 ・4/21 放課後 :セリオ用

感想(概要)

〇恋愛ADVの金字塔
二桁もルートあるのにそのほとんどが面白いのは驚きです。今やっても面白いと感じるその出来…流石 “金字塔” と呼ばれるだけはあります。

○3Dモデル
個人的には “アリ” です。モーションが豊富で何気ない仕草が可愛く感じるのが良いです。古臭さを感じないようデザインもブラッシュアップされているのもグッド!

○主人公がカッコいい
ヒロインのために行動できる漢気あふれるいい主人公でした。イケメンムーブが多すぎるのでヒロインが彼に惚れてしまうのも頷けます。なんなら私も惚れました。

×スキップ区間が長い
古い作品なのリメイクある程度は仕方ないとは思っています。ですが “膨大な選択肢” と“ スキップでも加速しない時計” のせいでヒドイと未読部分まで30分以上かかるのは堪えました。

まとめ

今日の美少女ゲームの礎を築いた作品なだけはあり恋愛ADVとしての出来が純粋に高いです。シナリオは今では見ないような展開もあり、逆に3D化と合わせて新鮮さを感じたぐらいです。

特に神岸あかり…彼女は幼馴染ヒロインの一つの完成形ですね。飛び道具なしの幼馴染としては今なおトップクラスでしょう。

まだまだブラッシュアップしてほしいですが3Dのクオリティも悪くないです。ただシステム回りはよろしくないですね…上記で挙げたスキップ以外にも意味のない操作、使いにくいUIなど、ストレス要因が多々ありました。

2のリメイクを作る際には是非とも改善してほしいものです。首を長くしてお待ちしております。

※以下はネタバレ有感想です。






感想(ネタバレ有)

神岸 あかり

ToHeartのリメイクは神岸あかりの魅力を120%出すために作られた作品である。そう錯覚してしまうぐらいに愛着を持ってしまう恐るべき幼馴染です。

「これで付き合ってないの無理でしょ!?」としか思えない距離感で “近すぎる幼馴染” を体感させられます。2カ月間ずっと隣にいるので否が応でもその近さを実感してしまいますね。

また髪型チェンジには驚かされました。まさかイベントがない・・・・・・とは!いや新学期にイメチェンってのは確かにリアルですけど普通なにかしらイベントがあると思うじゃないですか!?これは意表を突かれましたね。

そうなんですよね…彼女は異性として見てほしくて髪型を変えたのに、私も “近さ” のせいでそのアピールに気づいてあげられませんでした…

そんな彼女の懸命なアピールもあって、互いに好き(Love)であることを確かめ合えたのに、些細なすれ違いであかりを家に帰してしまう…この時の浩之は情けないやつです。

ですがその気持ち分からなくもないです。浩之にとって以心伝心だと思っていたあかりとズレがあったのはそれほどショックだったんでしょうね。本当に近すぎるというのは考えものです。

だからこそあかりの言葉は強いです。彼女は変わることを知ってなお真っすぐに『好き』を伝えてくれるのですから。好意のアピールをしてくれますがあかりはそれ押し付けません。いつも待っていてくれてるのです。

それはひとえに“自分が好きな人を信じられる“強さを持っているからなんでしょうね。本当こんな子に好きでいてもらえるなんて果報者ですよ。

長岡 志保

こういった悪友タイプのキャラクターがヒロインってのは新鮮でした。志保みたいな立ち位置のヒロインはパッと思いつきませんね…結構特殊なヒロインじゃないでしょうか?

浩之とあかりが恋人になるために動いている彼女が、自分のルートではどういう行動するか楽しみでしたが、あえて離れて大人になるために出会わないってのは予想の範囲外で驚きです。マジでびっくりしました。

ゴシップ屋な側面が目立ちますが、こと親友四人に対しては誰よりもフェアなんですよね彼女。だからこそあかりともフェアな状態から恋を競い合いたいから、一端距離を取ってリセットするってのは彼女らしい行動です。

志保ちゃんのそういう律儀なところ私好きですよ。

保科 智子

智子のような初期好感度が地を割るマイナスなヒロインは攻略してる感が出て良いですね。最初は取り付く島もなかっただけに、仲良くなったときの達成感はひとしおですよ。

引っ越しで回りとなじめず孤立して苦悩するってのはリアリティがあります。だからこそ何度も声をかけてくれる浩之に惚れるのも頷けるものです。あんな親身になってくれたら惚れるのも仕方ありません。

しかし何と言ってもこのルート雨のイベントシーンが良いですね。智子のような勝気なヒロインが弱みを見せて泣いてる姿にはグッときます。その後のベットシーンが描写されなかったのは残念ですが、本作はお子様も安心してプレイできるレーティングなのでね。仕方ないですね。

惜しい点がもう一つあって、パパに会う時のガチ清楚系の衣装が度肝を抜かれるぐらい美人でよかったんですが、1回しかなかったのが残念でした。もう1回くらい見たかったな…

宮内 レミィ

こんな色気のあるシルキーボイスの金髪巨乳に距離感バグスキンシップ食らったら私は即落ちです。やっぱ浩之ちゃんは凄いや。なんでこれを食らって絶妙な距離間を保てるんだ…?

シナリオは正直イマイチでした。子供のころに一日だけ会っていた少女との再会って良いのですがドラマ性が薄く、帰国勘違いもアンジャッシュ状態なのがすぐ分かってしまってイマイチです。

ですが浩之に好意よせる理由は良かったです。過去会っていたのを覚えていたという訳ではなく、子供を助ける姿を見て好きになったという、今の浩之を好きになった理由なのはグッドです。

「子供、好き?」っていう思わせぶりな言葉はそういうことだったのかと感心しました。

マルチ

もし当時にこのシナリオを読んでいたら脳を焼かれていました断言します。そりゃマルチの人気が高い訳ですよ…短いながらもシナリオが高クオリティなんですから。

セリオレベルとは言えませんが、現代はなんでも答えてくれるAIを皆が使える時代です。そのような時代で性能を削って心を重視したマルチのシナリオは考えさせられものがあります。

純真無垢で愛らしい彼女を前にして「心が不要」などとても言えません。量産型の感情を排除されたマルチを見て「ロボットに心は必要である」とそう反射的に感じました。

いつの日かロボットと人間の垣根がなくなり友や恋人になるのが当たり前になる。そんな時代がくるといいなと思わされましたね…

姫川 琴音

この子だけ悩みのレベルが桁違いなのは気のせいですかね?実生活が困難なレベルなのは可哀想すぎます。見た目の儚さもあって、すごく守護りたくなる子でした。

ただシナリオは時代の違いが出た感じがしますね。今は能力を持っている背景が設定されていることがほとんどなので、背景がまったく分からない彼女のシナリオはイマイチ乗れなかったです。

ですが能力に翻弄されて死すら考えてしまう琴音ちゃんを、漢気溢れる言葉と行動で支えた浩之はマジでカッコよかったです。ヒロインを守る主人公のカッコ良さはいつの時代でも不変ですね。

そういや “超能力” って言葉自体あんまり聞かないですね…いまはもう○○能力って感じで具体的にイメージがしやすくなってる印象です。こういう時代の移ろいを感じるとなんか得した気になりますね。

松原 葵

先輩である坂下と試合はとても良かったです。3Dによるアクションがあることで、試合の迫力が跳ね上がっていました。そこまで動きが多いわけではないですが、あるとないとでは臨場感が違いますね。

ですが一番いいなと思ったのは試合ではなく、試合前に浩之が緊張をとってあげるシーンです。

「葵ちゃんが弱気になっても体が覚えてる!」

努力を肯定し全力で励ます力強い良い言葉ですねこれ。後輩ルートの浩之ちゃん超頼もしいです。

エンディング前の先輩に会いたくて落ち込んでる葵ちゃんもまたいいんですよね。素直に「先輩会えなくて寂しかった」と可愛いことを言ってくれるのが堪らないです。

真面目で実力もあるけど自分に自信がないから応援してあげたくなる。これが彼女の魅力ですね。

来栖川 芹香

黒魔術に傾倒した内気な令嬢と字面だけ見るとヤバい人ですが、全くそんなことはなくのほほんとした独特の心地良さがある人でした。(たまに変な薬が出てくるのはエッセンス)

会うたびに心を開いてくれているんだと思いますが、私では表情から読み取れなかったです。もしかしたら芹香は想像補完ができなくなった分、3D化がマイナスに作用してるもかもですね…

感情の差異を分かりやすくモデリングで表現できれいれば、もっと可愛く感じられたのでは?とちょっと口惜しく気持ちになります…

でも彼女の告白は結構すきですよ。お互いに好き同士だから惚れ薬を使うと逆に分からなくなっちゃうってのはなんだか可笑しかったですが、とても彼女らしく微笑ましいです。

まさしく「不器用なお嬢様のちょっとおかしな告白」でした。しかしこの言い回しお洒落ですね気に入りました。

来栖川 綾香

葵ルート以上にジャンル格闘技なルートですが、運命的に出会った女の子との恋物語としても成立している凄いルートです。ルートとしては一番好きです。

綾香は今でいうギフテッドでしょう。あらゆること人並み以上に出来てしまう選ばれし者。さらっと言ってますが、ニューヨークのスクールでカーストTOPだったとかガチで凄いことですよ。

客観的に見ればすべてを持ってる “恵まれた者“ ですが、秀で過ぎているが故にすぐに登頂してしまい、なんども頂きの虚無を味わっていたことは想像に難くないです。

そんな彼女からすれば浩之の存在は嬉しい・・・に決まってます。何回負けても折れずに立ち向かってくれるどころか戦うたびに強くなる。楽しいでしょうね…そんな相手と戦えるなんて。

何より約束を守ってちゃんと自分に当ててくれる。思わず全力で戦ってしまえる男の子。綾香から理想の王子様ですよこんなの。そうでなければ膝枕なんて許す訳ないですもん。

いやはや、とてもドラマチックな物語を堪能させてもらいました。

雛山 理緒

いいですね~突然告白されてお友達から始めましょうってやつ。もう永遠に叶うことはありませんが、実は憧れのシチュエーションの一つだったりします。

このルートは知り合うところから始まるので関係の進展が丁寧でいいんですよね。徐々に理緒ちゃんの頑張り屋さんな良いところが見えてくるので、好きになる過程に共感できるんですよね。

告白もロマンティックでグッドですよ。偶然夜道で出会って普段とは違う髪型にドギマギしながら、好きになった理由を聞かされ告白される!くぅ~たまらないですねぇ^~

気さくになった理緒ちゃんも可愛くて最高だったので満足高めのルートでした。しかしクリスマスの浩之のムーブイケメン過ぎますね…これは理緒ちゃんが惚れるのも仕方ない。

セリオ

心を知るために少女漫画のロープレイをするコテコテのギャグシナリオ。このルートを一番楽しんでたのは綾香お嬢様。これだけは間違いない。

DLCなので短くてあまり言えることはないのですが、最後の「アスタラビスタ、ベイビー」には腹筋を持ってかれました。(卑怯だろあんなの…)

佐藤 雅史

DLC組で親友ポジがシリアス担当っていうのはどうかと思うんですが、悔しいことに親友と本音を語りあうこのシナリオが私は嫌いじゃない。

あかりと同じように近すぎて本音を話にくいといった問題はあったんでしょうが、友達という関係性は変わらないので浩之もアグレッシブに行けたんでしょうね。

夕暮れ時に親友同士で語り合うのも青春って感じがしていいですね。こんな風に美少女ゲームでも親友キャラを大切にしてくれると嬉しいです。いい親友がいるとそれだけで主人公の株が上がるので。

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