
ブランド:ゆずソフト(公式サイト)
発売日:2025-09-26
評価ランク:S
人が輝く最小条件は一歩踏み出すこと
“キラメキ” とは踏み出した先の夢中にある
※後半ネタバレあり
はじめに
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攻略順
<実攻略順>
莉々子 → 杏珠 → 那優花 → 美玖 → 月望 → 恵凪
<推奨攻略順>
好み優先で大丈夫です。
※サブヒロインはメインヒロイン1人攻略後に解放
感想(概要)
○音楽は楽しくて面白い
作品のすみずみからこの感情が伝わってきて実にグッドでした!こういうのいいですね……読んでいるこっちも楽しくなっちゃいます!
○印象に残る楽曲の数々
普段そこまで音声方面を気にするタイプではないのですが、今回ばかりはほとんどの曲が印象に残っています。シナリオにより背景が追加されているのは大きいですね。
○ヒロインが可愛く魅力的
魅力の抽出の仕方が尋常ではないです。目まぐるしく変わる表情、四季ごとに変わる服装、なんか多い髪型や小物、etc……まさしく執念すら感じる作りこみ、お見事です。
○業界最高峰のUI
ゆずソフトの作品は初めてなのですが、聞きしに勝るUIのクオリティに度肝を抜かれました。これほどユーザビリティの高いUIは記憶にないです。
まとめ
何度も何度も『楽しい!面白い!好き!』って感情を伝えてくるのが心地良かったです。 夢中な人は輝いて見えるといいますがまさにそれですね!
感情が一方通行でないのもいいですね。だれかの「好き」が違うだれかの「好き」になる。そんな感情のリレーが見れたのも本作が「好き」な理由の一つです。
随所に「ユーザーに楽しんでもらおう」という心使いが感じられたのも嬉しかったですね。この「For User」の精神は、流石は業界最大手といったところでしょうか。次作も楽しみにしていますよ。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
二見原 莉々子

莉々子を見ていると実感しますよ。幼馴染が負けヒロインなどという戯言は先の時代の妄言であったということを!
付き合う前は親友ポジなのに、付き合ってからは女房ポジにシフトするのは大分ズルですね。あんな尽くしてくれる一面を見せられたら、もう「好き」になるしかないじゃない!
付き合うまでの過程がホントにいいんですよね。「昔好きでした」を受けて「今好きなんだ」に気づくところが最高にエモーショナル。

そして「今好きなんだ」を受けて「今も好き」に辿り着く。この “また恋に落ちる” はいつ見ても最高ですね……ホントこれがあるから幼馴染スキーはやめられない。
それにしてもこのルートはAnother Viewがいい仕事しますね。真っ赤になりながら「くぉぉぉ」する莉々ちゃん可愛いすぎて、終始読んでいてニヤニヤが止まらなかったですよ。
とはいえ一番の魅力は ”いい女” と評するに相応しい献身さでしょう。

彼女の支えがあったからこそ、雪鷹はネガティブの沼から脱出でき「最終快速」に辿り着けたといっても過言ではないです。
誰よりも自分の音楽を「好き」だといってくれる彼女が常に近くにいてくれたからこそ、彼は “カッコよさ” を間違えずにいられた……一番のファンである二見原莉々子を笑顔にできるという”カッコよさ”を。
あんなにも自分の音楽を楽しんでくれるファンが身近で支えてくれる幸運も中々ないですよ。自分を疑わなくていい笑顔には、値千金以上の価値があります。
隠 杏珠

本作で最も可愛いヒロインを挙げろと言われたら秒で「ンジュちゃん!」と答えます。その可愛さで私の心を終始蹂躙してくれました。
なんといってもリアクションが可愛いのですよね。プレッシャーに弱いところも庇護欲をそそって so very cute ! ちなみに途中まで後輩だと思っていました。(ジュジュちゃんが可愛いのがいけないんだよ……)

でもですね、あーちゃんの一番の魅力は克己心だと思うんですよね。
自信がないというより現状に甘んじたくない。刀のように自分を鍛え研ぎ澄ます精神性こそが彼女の本質だと思いますね。そんな彼女の力になりたいと思う雪鷹の気持ちはよく分かります。
だからこそ “夕焼けの電車” はこのルート屈指の名シーンなんですね。決意と共に「好き」を自覚するのがとても奇麗。“青春の一ページ” って感じがするのも最高にグッドですね!

このルートを語る上では「RGB」のお披露目ライブも外せませんね。初ライブでは助けられた杏珠が、今度は逆に雪鷹を助けるのが対比になってるのがいいですね。
それにピックをぶん投げアドリブでギターをかき鳴らすパフォーマンスは最高に 𝘾𝙊𝙊𝙇 でしたよ!!!
まさしくレモネードファクトリーのリードギター隠杏珠ここにあり! といった感じでカッコよかったです!
茶園 那優花

他のヒロインが同年代なせいか、一際だけ年上の那優花は大人っぽく感じるのがいいですね。それにヴィジュアルがめっちゃ美人。
眩しそうに雪鷹を見る目がいいんですよね。本当に彼の音楽が「好き」なんだなってのがよく伝わってきます。
楽しんでいる人を見ていると元気をもらえることがありますが、それって自分の “楽しかった記憶” を思い出しているのかもしれませんね……。那優花を見てるとそんな気がします。
実に救いのあるお話ですよ。だってそれさえ思い出せればいつだって”キラメキ” を取り戻せるのですから、その証拠に心から楽しそうに演奏する彼女はあんなにも輝いている。
礫川 美玖

凄まじく可愛い。だがそれ以上に途方もなく愛おしい! これほどの逸材がメインでないのは残念ですが、同じバンドでないからこそ輝いているところもあるんですよね。
「沖波さん!!」と迫りながらベタ褒めしてくれるの癖になっちゃう。雪鷹の限界オタクしてるときの美玖ちゃんはすごく輝いているよ。
「好き」という気持ちを真っすぐに伝えてくれるその素直さはホントに美徳です。勢いあまっての先制告白も想いの強さを感じられていい……愛おしさが加速するというものですよ!
うん、やっぱり彼女は自信満々にしている姿が魅力的ですね。真っすぐに「好き」に突き進む彼女は可愛く愛しいだけでなく、美しく憧れさえします。
嶌越 月望

正直このルートのキャラ崩壊は目に余るものがあります。(衛哉は他人の恋愛を覗き見る野暮はしねぇし、恵凪はあんなに月望に矢印だしてねぇし、「沖波さん!!」しない美玖はもう別人だろ)
ただそのマイナスを補ってあまりあるほど、シナリオ構成が凄まじかった。クラッシックがバンドに与える影響が見事に描かかれいている……このプラスを私は無視できません。
雪鷹が作った曲はパクりではなくオマージュ。他人がそういうのは簡単でしょうが、本人が納得いくかどうかはまた別のお話。このルート凄いところはここなのです。
影響を受けて「悔しい」を納得する話の流れが驚くほど美しい。

アナリーゼを必要とするクラッシック出身の彼女がその役割を担うことは自然ですが、説得力の強さが桁外れです。
なぜなら嶌越月望がいかに優れたピアニストであるかをコンクールで “知ってしまっている”。故に彼女が語る音楽には「重み」がある。
同時に嶌越月望がいかにピアニストとして足踏みしていたかも “知ってしまっている”。レモネードファクトリーに救われた彼女が語る「好き」には感情がのった「強さ」がある。
「重み」と「強さ」を持つ彼女の言葉には心を穿つ説得力があります。そして一歩踏み込み優しく傷つけてくれた、そんな彼女に惹かれるのはある種の道理。ならばあの月光夜で恋に落ちたのはもはやただの必然です。

そして「悔しさ」を知った先の物語もまた美しい。
影響を受けたハイエンヅを同じような経験をしていたとあれば、「悔しさ」を知るというのはある種の継承なのでしょうね。「音楽が楽しい」というその気持ちの。
「悔しい」という負の感情をアナリーゼすると「楽しい」という感情が現れる。その方程式の解はあまりに美しい。エクセレント!惜しみない拍手を送らせてもらいます。
ただ「燈月小夜曲」のお披露目バンドが軽すぎたのは残念ですね。せめて恵凪にタイトルコールしてほしかったなぁ……あれ気に入ってるんですよね。
陽見 恵凪

彼女がファックな衝動をロックな行動に変えてなければレモネードファクトリーは生まれてなかった。まさに “行動こそが正義” の体現者。
実は彼女の性格をかなり “ツボ” でしてね。普段はおとなしめな性格なのに、思いついたら猪突猛進!になる大胆性格が素敵。共通で淫紋を入れるヒロインはやっぱ違いますね。

このスチルを見た瞬間に “勝ち” を悟りました。
だってさぁ! 私の直感が「好き」って言ってるんですよ!? 青春バンドの恋愛に求めるものが全部詰まっているんですよ!?!?
このガチ恋距離でじっくりコトコト恋心を煮詰めるのたぁんまないですねぇ! ホント無限に見ていられる。ただ、それだけにAnother Viewがなかったのは残念ですね。
恵凪視点のドキドキも見てみたかったなぁ……。

このルートはワンマンライブもいいんですよね。恵凪の母親への気持ちとそれに寄り添う仲間たちの気持ちが暖かい。それにね思い出したんですよ。
この作品で一番最初に「好き」と感じたのは彼女の「誕生日の歌」であったことを。
成長した彼女からこの歌が聞けるのはたまらなく嬉しい、こころなしかあの頃よりも柔らかく聞こえます。そのせいでしょうか……続く「陽だまりのように」は妙に心染みました。
恵凪のタイトルコールが聞けなかったのは残念ですが、やっぱりいいですね……真心のこもった曲というのは。感謝も音楽も “人と人をつなげる” という根っこは同じなんでしょうね。
どちらも等しく人を笑顔にする魔法。
不二 衛哉

本作のMVP。頼りになる親友の重要性を改めてかみしめました。実際彼がいたおかげで作品の面白さは2段階は上がっていたと思いますね。
いてくることで精神的に頼りになり過ぎる。雪鷹がすぐに衛哉を頼る気持ちも分かりますよ、読んでるこっちとしても本音で話し合える衛哉の存在はありがたかったです。
Graduation
「好き」なことに夢中な人は輝いている。その “キラメキ” が多くの人に届いた結果、学校でのライブも叶ったラストに相応しいエピソードです。
そして最後に聞いて確信しました。やっぱり本作のフェイバリットミュージックは「明け星」だと。


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