
ブランド:戯画
発売日:1999-07-02
評価ランク:B
おそらく人は永遠に満足な豚になることができない。
※後半ネタバレ有
起動について
普通に起動させても描画がおかしくなり操作することができませんでしたが、以下サイトを参考にしてDxWndを使うことで最後までプレイすることができました。

攻略順
<実攻略順>
トゥルールート → ノーマルルート
<推奨攻略順>
どちらを先にするかは好み優先で大丈夫です。
エンディングについて
- 最も好感度の高いヒロインのEDになります。
- 各ヒロインのEDはトゥルー / ノーマルで共通です。
- EDのみが変わるだけで話の流れは変化しません。
■参考サイト
分岐条件は以下のサイトが参考になります。 ※ネタバレ注意

感想(ネタバレ無)
概要
○バルドアクションの始祖
シリーズ特有のアクションの基本的な部分はすでに完成されています。1作目なので粗削りなところもありますが、99年の時点でこれほど作りこまれているのは驚きです。
○シリアスとコメディのバランス
「人の生き方」 というシリアスなテーマを基軸にしながらも、コメディ要素を出して暗くなりすぎないようバランスがとれていました。
×不便なシステム
詳細は折りたたみますが、今では当たり前の機能がないのは厳しいものがありました。古いゲームなので仕方ないところがあるのですけどね…
■バックログがない
ジャンプがないのではなくバックログ自体がありません。そのせいで読み飛ばしてしまうと即アウトになってしまうのでキツかったですね。
■セーブが限定的
簡単に言えばテキストウィンドウが出ているとセーブできません。選択肢でセーブというなよっちい真似を許さないストイックなゲームです。
■周回が虚無
本作のエンディング数は10を超えるのですが、引き継ぎと戦闘スキップがないため純粋な作業になります。特別気になるヒロイン以外はやらなくてもいいと思います。(私は全部やってません)
■近接が死んでる
近距離、遠距離、ダッシュの計9枠の兵装を選べますが、一度でも遠距離、ダッシュ攻撃を出すとコンボ中は近距離を出せません。当然近距離を初動にできるわけがないので、実質近接コンボは不可能です。
まとめ
時代は感じますがシナリオは中々面白かったです。90年代特有のコンプラガン無視テキストは、今では逆に新鮮さすら感じていいですね。現代では絶対読めませんもこんなの。
アクションは実はプレイする前はもっと差があると思っていたんですが、思っていたよりも後継シリーズに近くて驚きました。私のようにバルドシリーズが好きな人はこれだけでも興奮できると思います。(オーバーヒートゲージもSDもこの時代からちゃんとあるのに感激しました)
もしこれからやろうと思う人がいれば、兵装は電撃レーザーと炸裂弾を優先することをお勧めします。この二つがあればNORMAL(最高難易度)でもラスボスまで通せます。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
人の生き方とは?

本作は「人の生き方」として画像の後者の生き方…非合理で矛盾ある生き方を肯定しています。もっといえば人はそういう生き方しかできないとさえ言っているように聞こえます。
黄金時代の人々がなぜバルドルへの依存を止めたのかは明かされていませんが、トゥルールート最後のニィナの「愛することの解釈」から推察はできます。

バルドルがもたらすの永久の安寧の中では人は殻を破る必要がなくなります。人が進歩する必要もなく正解を出してくれるのだから当然でしょうね。
ですがそれは到達という名の行き止まり、完璧という名の絶望なのです。きっと人はどこまで行っても進歩しなければならない生物なのでしょう。だからこそ一見楽園に見える世界でも留まれない。理想郷というものが存在しないのも同じ理屈です。
そしてもう一つ…「愛することを止められない」のもバルドルを否定した理由なんだと思っています。人は人を愛することで子孫を成す生物である以上、愛することは “人の本能” なのですから。
だからメイ・ルイスは人なのです。人は生まれではなくあり方なのですから。

メイと同じぐらい重要なのがジャハナムです。トゥルールートのラスボスとノーマルルートのメインヒロインを務めているのは伊達じゃないですね。
彼女のエンディングは非常に味があるエンディングです。バルドルシステムをこの手に収めても自らの手で捨てています。
ジャハナム家500年の悲願であり、アイデンティティにすらなっていたエレミーですら『愛』を理由に否定してしまうのですから、根本的に人はバルドルの支配を受け入れられないんとしか思えません。
ごちゃごちゃ書きましたが「人は用意された幸福で満足できるほどお利巧ではない」ということなんでしょうね。もっともその強欲こそが人の最大の強さだと私は思いますけどね。



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